俺ではない炎上の試し読みのおすすめアプリを比較!あらすじと感想も

朝倉秋成さんの小説、俺ではない炎上を読了したので、試し読みにおすすめのアプリのご紹介や、私なりの本作品の感想や考察を書いていきます。

まず最初に試し読みのアプリを紹介し、その後感想を書いていきますね。(感想の方は、がっつりネタバレありますので、ご注意ください。)

試し読みにオススメのアプリはコレ

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俺ではない炎上の感想と考察(ネタバレあり)

1989年生まれ、まだ若手とされたとしてもおかしくない著者が送る今回のミステリーは、実に現代っぽいものでした。しかしそれは、まさに誰の身にも起こり得ることなのだと思います。私たちは、ボタン一つで、誰かを犯人にもできるし、この人が犯人だと思うと伝えることもできてしまう世の中を生きています。自分の力で調べることをしなくても、見知らぬ誰かの情報によって、それが真実なのか、作り上げられたものなのか、悪意を含んだものなのかさえ知る由もなく、誰もが情報を拡散することができてしまうのです。
無責任に拡散されていく情報は、時として大きな力となり、歪んだ何かを変える、あるいは正す原動力となることは確かなことであり、この全てを抑圧することは決して許されてはならないことでしょう。しかし一方で、その手軽さや身近さから、どこかの誰かが真実とは全く異なることで日常を狂わされるかもしれないという可能性を含んでいることも事実です。

真実を見極める力とは、どこで身に付けるべきなのでしょうか。
そして、この物語の、そもそもの事件の犯人とは一体、誰なのでしょうか。事件の犯人が、その罪から逃れるために、誰かになりすましたツイートをしたのでしょうか。それとも事件とは関係のない誰かが泰介を陥れるためのツイートだったのでしょうか。
謎が謎を呼ぶ、いや、謎が謎しか呼ばないストーリーが繰り広げられる時、私たちは、どんな真実を目の当たりにすることになるのだろうという期待が止まらないということが、浅倉秋成の魅力以外の何者でもないと感じられる作品の一つです。

この物語の主人公は、大帝ハウスに勤め、その大善支社営業部長である山縣泰介です。泰介は仕事においては順調に出世を果たしており、さらに私生活においても自社で建てたマイホームに妻と娘と共に暮らすという絵に描いたような順風満帆な生活を送っていました。
誰が見ても、幸せで充実しているかのような日々が、どこかの誰かの恨みを買うことになったのでしょうか。それとも泰介自体の何かにそれを買うような要素があったのでしょうか。

有り触れた一日だったはずのある日、外回りの営業の途中にいた泰介のもとに、支社長から一本の電話が入ります。その内容は「とにかくすぐ戻れ。けれど帰って来る時は絶対に裏口から」というもので、泰介には理解し難いものでもありました。ただ、何かただならぬことが起きたということだけは泰介にも理解するに十分な電話であったことは確かです。
事情を理解すると、泰介がある事件の「女子大生殺害犯」であると特定され、すでに泰介の実名が写真付きでインターネット上にばら撒かれている上に、その情報の元となっているツイートが炎上しているらしいというのでした。何のことだかわからない、というのが泰介が最初に抱いた感情でしたが、事態は泰介のそんな感情を理解したり、落ち着くまで待ってくれたりすることなく、展開していきます。当事者とは誰のことを指すのだろうと考えさせられる一幕でもありました。

残忍な犯行を自慢しているとも取れる書き込みがTwitter上に上げられ、そのアカウントが泰介のものであるという誤認さを知った泰介は、こんなことが実際に自分の身に起きているという事実に戸惑います。そしてそれは泰介だけでなく、実際の泰介を知る家族をはじめとした周りの人間も同じことだったのだと思います。とは言え、こんな有り得ない誤解はすぐに解けるに決まっていると、泰介は楽観視するのでした。だって、自分は何もやっていないのだから、と。しかしこのアカウントのツイートはとても巧妙に書かれたもので、見れば見るほど、そしてツイートを辿れば辿るほど、それは泰介のものとしか思えない書き込みが続いていきます。
最初こそ誰もが「まさか」「有り得ない」と思っていましが、次第に誰一人として、泰介の無実を信じようとしなくなります。会社も、友人も、愛し愛されていたはずの家族でさえも、もしかして泰介がやったのかもしれないと思い始めるのでした。そしてほんの数時間にして日本中の全てが泰介の敵となるのでした。その中で泰介は、あらゆる人に追いかけられ、逃亡を続けることになります。
何から逃げているのか、何のために逃げなければならないのかは、泰介が最もわからないままでしたが、とにかく逃げなければ、泰介は犯人にされてしまうのでした。けれど、犯人でないならば、何故逃げなければならないのでしょう。理不尽さややるせなさが渦を巻く中で、真実が見失われそうになっていきむ。

大学生の住吉初羽馬は自らのスマートフォンのツイッター画面に手を止めてしまいました。サークルの友人がTwitter上で「これ、ガチっぽくね?」というコメントをつけてリツイートしていたそのツイートは、初羽馬が見た時には、まだ二十六回しかリツイートされていないツイートでした。しかし、この問題のきっかけとなるツイートには、誰もが目を止めるような、また目を覆いたくなるような写真が一枚、添付されていたのです。そしてそれは紛れもなく、犯人しか知り得ない情報だったのです。

写真は夜の公園でした。全体的に暗く、状況がいまいち把握しにくい中で、うっすらと、しかしとても生々しい刺し傷が、脳裏に何度も焼き付くほど映し出されていました。
微かな街灯と公衆トイレと思われる物体が、映り込んでいます。さらに同じ写真の下のほうには、地面に横たわっている女性の姿らしいものが見えてきます。かろうじて顔は見切れているものの、スカートが短いことや、チェスターコートが若者らしい淡い水色であったことから、十代から二十代の女性であることは、初羽馬でもわかるほどでした。はだけているコートらは白のニットが伺えます。ただならぬ予感が漂う写真をスクロールすうる手は、誰もが止められないのではないでしょうか。
映し出された写真の腹部には大きなドス黒い染みが確認できます。初羽馬は思わず息を飲み込みました。そしてゆっくりと画面の明るさを目一杯まで上げると、それが血液の色であることがわかるのでした。溢れ出している血液は、血だまりとなって、夜の公園の地面を汚しています。
「これ、ガチっぽくね?」という友人の言葉が初羽馬の頭を通り過ぎていくようにさえ感じられます。
このツイートは、犯人しか知り得ないはずのことを次々と書き込んでは、Twitter上に流しています。そしてその言葉たちは泰介をどんどん追い詰めていくのでした。

「たいすけ@taisuke0701」というTwitter上のアカウントは、10年前から存在しているものでした。これまでのツイートを遡ると、どこにでもあるようなごく普通の生活を映し出されたものであり、特にフォロワー稼ぎをしていたり、怪しい商法や、何かに偏った思想や思考をツイートしていた様子も伺うことはできませんでした。本当に有り触れた誰もが持つような個人的なアカウントだったのです。けれど、だからこそ、問題のこのツイートには「やってしまった」という生々しさが含まれてしまい、より真実味を帯びたという皮肉さがあります。
ただそれがインターネットをより身近に使うようになった現代を生きる私たちの「リアル」なのかもしれないと思うのです。そしてこれは放っておいてはいけないのでは、と誰もが思う投稿を実際に何か行動したり、その信憑性を探すということをするのではなく、単に一つのボタンをタップするというほんの数秒の無責任な行為をしたのは、初羽馬だけではありませんでした。そして同じ用にリツイートしたのは初羽馬だけでなく、情報はどんどん拡散されていきます。
このことで、関係のない自分たちも関わっているかのような錯覚を覚え、そして情報を拡散、共有していくことで、一種の責任のようなものを取ろうとしていることは、現代の一つの特徴的な心理ではないでしょうか、
この一見して説明し難い複雑な心理が、実n巧みに描かれてるシーンが次々を繰り広げられていくことに、時折、ドキリとさせられるのでした。

やっていないという事実、無実の証明というのは、実に難しいと言われています。何を探しても、何を問われても、やっていないとしか答えることができないそれは、何の証拠も持たないにも関わらず、何の根拠も持たないまま拡散されていく無責任な情報だけが、まるで真実かのような顔をし始めるのでした。
日常のあらゆる場面で、私たちは何を根拠にどの情報を信じるべきなのか、そしてそれを自分が手にする時、本当に責任を持って、次の誰かに伝えているのかということを考えさせられます。

本当に身に覚えがなかったり、微塵もやましいことがないならば、誰に何を言われても、堂々としていればいいのではないか、とは正論ですが、当事者ではないから、あるいは誰もがそんな当事者になるとは日常生活の中で僅かにも考えていないから、言えることなのかもしれません。どこを調べても、自分は何もしていないのだから、誤解は必ず解ける、と信じていた泰介も、「これはもう逃げるしかない」という想いに駆られていきます。

たった一人で無実の逃亡を続ける泰介の身を追い続ける警察、何を信じていいのかわからなくなり揺れる家族。そして友人のツイートの傍観者にしか過ぎなかったはずの初羽馬さえ事件に巻き込まれていく中で、事件の真相が明らかになろうとします。
本当に泰介は犯人ではないのでしょうか?無関係であるならば何故、実名や顔写真までTwitter上にばら撒かれなければならなかったのでしょう。 泰介本人さえも「自分が書いたのではないか」と自分を疑いそうになるほど、泰介の存在であるTwitterアカウントを、泰介とは無関係の他人が10年も使っていたなんてことが有り得るのでしょうか。ならば、この事件は10年前から計画されていたということでしょうか。時として、一体主人公が誰なのかさえ見失いそうになる本作は、最後まで一気に読むことができる傑作でした。

小説

Posted by ありちーぬ